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所得税で有利になる寄付金の種類
個人で一定の要件を満たす寄付をしたときは、その金額のうち一定額を所得から控除することができます。これを寄附金控除といいます。また、政治活動等に対する寄附金等のうち一定のものについては、所得控除に代えて、税額から一定金額を控除できる税額控除を選択することもできます。
寄付金控除の対象となる寄付金は、以下の法人などに対するものです。
ちなみに、行った寄付が寄付金控除の対象になるかどうかは、寄付金の領収書に記載があるケースがほとんどです。
ですので、判断に迷ったらとりあえず領収書をもらうようにしておくと、以下の法人などを覚えなくても寄付金控除が受けられるかどうかが判断しやすくなります。
あるいは、寄付前に相手に直接寄付金控除が受けられるかどうか聞いておくのもよいかと思います。
①国、地方公共団体に対する寄附金(寄附をした人に特別の利益が及ぶものは除かれます。)
ふるさと納税制度もこの寄付金に該当します。
②公益社団法人、公益財団法人その他公益を目的とする事業を行う法人又は団体に対する寄附金のうち、次に掲げる要件を満たすと認められるものとして、財務大臣が指定したもの
イ 広く一般に募集されること
ロ 教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に寄与するための支出で緊急を要するものに充てられることが確実であること
③特定公益増進法人のうち、その法人の主たる目的である交易の増進に著しく寄与する業務に関連する寄附金
特定公益増進法人は以下の法人です。
イ 独立行政法人
ロ 地方独立行政法人のうち、一定の業務を主たる目的とするもの
ハ 自動車安全運転センター、日本司法支援センター、日本私立学校振興・共済事業団及び日本赤十字社
ニ 公益社団法人及び公益財団法人
ホ 民法34条の規定により設立された法人のうち一定のもの及び科学技術の研究などを行う特定法人
(注)旧民法法人の移行登記日の前日までに寄附した場合に限られます
ヘ 私立学校法第3条に規定する学校法人で学校の設置若しくは学校及び専修学校若しくは各種学校の設置を主たる目的とするもの又は私立学校法第64条第4項の規定により設立された法人で専修学校若しくは各種学校の設置を主たる目的とするもの
ト 社会福祉法人
チ 更生保護法人
④特定公益信託のうち、その目的が教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与する一定のものの信託財産とするために支出した金銭
⑤政治活動に関する寄附金のうち、一定のもの(寄附をした人に特別の利益が及ぶもの及び政治資金規正法に違反するものは除かれます。)
⑥認定特定非営利法人等(いわゆる認定NPO法人等)に対する寄附金のうち、一定のもの(寄附をした人に特別の利益が及ぶものは除かれます。)
⑦特定新規中小会社により発行される特定新規株式を払込みにより取得した場合の特定新規株式の取得に要した金額のうち一定の金額(1千万円を限度とします。)
寄附金控除の金額は、
次のイ、ロのいずれか低い金額から2千円を控除した金額です。
イ その年に支出した特定寄附金の額の合計額
ロ その年の総所得金額等の40%相当額
寄附金控除を受けるためには、確定申告が必要です。
また、以下の書類を用意する必要があります。
1. 寄附した団体などから交付を受けた領収書など
2. 1.の領収書などのほか、次に掲げる書類
イ 特定寄付金のうち③ロについては、地方独立行政法人法第6条第3項に規定する設立団体のその旨を証する書類の写しとして交付を受けたもの
ロ 特定寄付金のうち③ホ及びへについては、特定公益増進法人である旨の証明書の写し
ハ 特定寄付金のうち④については、特定公益信託であることの認定書の写し
ニ 特定寄付金のうち⑤については、選挙管理委員会等の確認印のある「寄附金(税額)控除のための書類」
ホ 特定寄付金のうち⑦については、1.の領収証などに加え、以下の書類を添付する必要があります
(イ) 特定新規中小会社が発行した株式の取得に要した金額の寄附金控除額の計算明細書
(ロ) 特定(新規)中小会社が発行した株式の取得に要した金額の控除の明細書
(ハ) 都道府県知事等が発行した特定新規中小会社に該当するものであること等の一定の事実の確認書
(ニ) 特定新規中小会社が発行した個人投資家が一定の同族株主等に該当しない旨の確認書
(ホ) 特定新規中小会社から交付を受けた株式異動状況明細書
(ヘ) 投資契約書の写し
以上のように、寄付金控除を受けるには、領収書や寄付の相手によってはその他の書類も寄付先に用意してもらう必要があります。
そのため、該当する寄付を行ったときはその都度必要書類を用意するようにしておくと、確定申告の時期に慌てる必要がなくなります。