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財産を会社等に寄附したとき
個人が持っている財産を会社等の法人に寄附したときは、時価で譲渡したものとみなして所得税がかけられます。
しかし、次の場合には、寄付であっても所得税はかかりません。
① 国や地方公共団体に対して財産を寄附した場合
国や地方公共団体に対する寄付に所得税等を課税してしまうと、これらに対する寄付が減少してしまう可能性が高いので、政策上所得税がかかりません。
また、国等に対する寄付の場合には、特段申告等の手続きは不要です。
② 公益を目的とする事業を行う法人に対して財産を寄附した場合で、一定の要件に該当することについて国税庁長官の承認を受けたとき
公益性の高い寄付については、国等に対する寄付のように政策上所得税がかかりません。
この取り扱いを受ける場合には、一定の要件に該当することについて、国税庁長官の承認を受けるための申請書を財産の寄附があった日から4か月以内又は寄附した年分の確定申告期限のいずれか早い日までに納税地の所轄税務署長を経由して国税庁長官に提出する必要があります。
この場合の一定の要件は、以下の通りです。
A:寄附が、教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与すること
B:寄附財産が、その寄附日から2年を経過する日までの期間内に寄附を受けた公益法人等の公益目的事業の用に直接供され、又は供される見込みであること。
C:寄附により、寄附した人の所得税の負担を不当に減少させ、又は寄附した人の親族その他これらの人と特別の関係がある人の相続税や贈与税の負担を不当に減少させる結果とならないと認められること。
ただし、一定の独立行政法人、国立大学法人などに対する寄附である場合には、次の「要件2」の要件のみを満たすだけで取り扱いを受けられます。
なお、国税庁長官の承認後に、要件を満たさない状況になった場合などには、国税庁長官の承認が取り消され、財産を寄附した者又は財産の寄附を受けた公益法人に所得税がかかりますので、注意が必要です。